72)ああ、勘違い!
- 2011年8月6日
- 人生・趣味
ここ1か月ほど、喉が痛く、夏風邪のような症状が続いていた。
病院の薬を服用して、かなり良くはなったものの、まだ何となくシックリこない感じだ。
体調の悪さに加えて、仕事のストレス等も加わり、家ではグッタリしていることが多かったのであろう。自分では、自分のことを全く客観視できていなかったが、最近、そんな「ダメな自分の姿」にハタと気づかされたエピソードがあった。
うちには2人の娘がいるのだが、どういう訳か、幼い頃から「パパっ子」で、用もないのにベタベタとパパにまとわりついているような子達であった。
特に下の子は、今でもベタベタしている感じだったのだが、突然、急にパパを避けるような行動を取り始め、ろくに会話もしないような日々が続いたのだ。
この劇変ぶりに、さすがの私も焦り始め、「よく聞くところの、突然にパパが生理的に嫌になるという例のヤツか…!」などと勝手に思い悩み、恥ずかしながら、妻に真剣に相談したりもした。
妻は、笑って、「そんな深刻なことじゃないよ」などと言っていたが、我が家は、私以外はみんな女性ゆえ、「女心は分からんなあ」などと思いながら、一人悶々としていたのだ。
すると、妻が気を利かせて娘と話をしてくれたようで、娘いわく「パパが怒っているみたいで怖かった」とのこと。
なあーんだ、そういうことか。
と胸をなでおろすのと同時に、深く深~く反省……。
要するに、私の方が、「俺に近づくなよオーラ」を出していたということなのだ。
自分から、そんなオーラを出しておきながら、「なんで、俺のことを避けるんだよ」と、ひとりで身勝手な「勘違い」をしていたというバカな話。
まあ、娘の行動の原因が分かったので、その晩は、笑顔で帰宅し、私と娘は、シッカリ仲直りしましたとさ。
めでたし、めでたし。
ということで、今回は、とてもいい勉強をさせてもらった。
よく「子は親の鏡」と言うが、娘の行動は、まさしく私の「心の鏡」であったというわけだ。
私のコミュニケーション不足が生んだ「勘違い」により、下手をすると、私はとっても大切なものを失うところであった…。
さてさて、勘違いと言えば、最近、もう1つイヤな経験をした。
先日、休みを利用して家族4人で知多半島へ遊びに行き、たらふく、海の幸を満喫して、いい気分で帰宅しているところであった。
私は、ビールを飲んでしまったので、妻に運転を任せ、助手席でウトウトしていた。
すると、突然、大きなクラクションが鳴ったので、私も眠りから覚め、妻の方を見ると、「後ろの車、さっきから、うっとおしいのよ!」とのこと。
後ろの車はスポーツタイプのベンツで、うちの車にベッタリついて、パッシングをしながらクラクションを鳴らしているのだ。
ところが、うちの車の前には先行車がいるし、左の車線は後ろからバスが来ているし、誰がどう考えても、うちの車が避ける余地などないのだ。
それでも、そのベンツは執拗にうちの車を煽り続け、先行車との車間距離が近づきすぎたので、妻は、やむなくブレーキを踏んだのであった。
と、何を思ったのか、そのベンツは、もの凄いスピードでムリヤリ左の車線に入り、その直後、うちの車に当たりそうなくらいの至近距離でうちの車の前に割り込み、急ブレーキを踏んだのである!!
そして、そのベンツは、あろうことか、高速道路の追越車線上に完全に停まってしまったのだ!!。
間一髪、事故は回避できたが、我が家は、一同、唖然である。
そして、これから、いったい何が始まるのかという緊張感で車内が満たされた。
妻は、「どうしたらいい?」と焦っていたが、私が「しばらく待ってたら収まるよ」と言うと、少し冷静さを取り戻した様子だった。
それから数分間は、そんな状態だったが、「とりあえず110番をかけるフリをしようか」ということになり、私が携帯電話をかけるフリをしたら、そのベンツは立ち去って行った。
それにしても、これもバカな話である。
おそらく、そのベンツは、自分が追越車線を走っていれば、どんな車でもソソクサと避けていってくれるものと思っていたに違いない。現に、今まではそうだったのだろう。
ところが、今回、なかなか避けてくれない車に遭遇し、しかも、嫌がらせのようにブレーキを踏んで、喧嘩まで売ってきやがった、と勝手に思い込んだのであろう。
まあ、これも大いなる「勘違い」によるトラブルである。
離婚事件や遺産分割事件など、親族間の「感情」が絡む事案は、お互いが大いに勘違いをし合っているというケースが多い。
一度、勘違いによって誤解してしまうと、コミュニケーションを取ることすら避けるようになるので、さらに誤解が深まる、という悪循環になってしまうようだ。
そして、最初の小さな勘違いは、最終的には「生理的な嫌悪感」へと発展してしまい、もはや、理性だけでは修復できなくなってしまうレベルへと発展する。
あのベンツの一件があって以来、テレビでベンツのCMが流れる度に、「もう、ベンツなんて大っ嫌い!」というのが妻の口癖になった。
こうなっては、ベンツが如何に優れた車かということを理屈で説明しようとも、妻は生理的にベンツを受け付けないであろう。
ということで、我が家では、ベンツを所有することは永遠になくなった…。