135)ブランドの担い手
- 2013年10月2日
- 社会・雑学
2000年から13年間、某外国メーカーの車に乗っている。
今、乗っている車で、もう3台目となる。
私も妻も、当メーカーが大好きなのだが、決して、デザインや性能だけで選んでいるワケではない。
デザインや性能を重視するなら、もっと秀でた車はいくらでもあるからだ。
ホントに、何とな~くなのだが、当メーカーの目指す思想や哲学であったり、その車を所有する人達が持っているであろう「決して派手ではなく、穏やかで家庭を大切にするイメージ」が好きなのだ。
つまりは、完全に「感性」による選択なのであり、これこそが「ブランド・イメージ」というヤツだ。
そして、最初に出会ったMさんという営業マンの人柄がメチャ良く、Mさんとの付き合いも、我々の選択に大きく影響している。
そう、かれこれ、Mさんとの付き合いも13年になるワケだ。
だが、このMさん、その人柄が示すとおり、順調に出世し、今では管理職となってしまったので、実際に担当する営業マンは、別の若い方となってしまっていた。
さて、それほどまでに惚れ込んでいた当メーカーとの間で、先日、ちょっとした「イヤなこと」があった。
リコールに基づく修理とHDDナビの更新のため、当メーカーに車を午前中に入庫。
夕方には出来上がっているというので、夕方、車を取りに戻った。
そして、車に乗り込み、発車させようと、ふと、ギアチェンジをする「シフトノブ」に目をやった瞬間である!
あろうことか、明らかに「油にまみれた手で触りましたよ!」と訴えかけんばかりに、シフトノブが油で汚れまくっているではないか!!
選りによって、私の車のシフトノブは、特注の「真っ白い」ヤツだというのに。
シートを特注の色にしたので、シフトノブもハンドルもその色に合わせて特注したのだ。
だからもう、汚れが目立つなんてもんじゃない!
早速、汚れを落とす作業をしてもらったのだが、今度は、擦り過ぎて表面が剥げてしまい、結局、新品の部品に交換してもらうこととなった……。
これはもう、高級車メーカーとしては、とんでもない大失態である。
モノの損害云々の話ではない。
顧客が大切に乗っている車に対して、何の配慮もなく乱暴に扱うその「姿勢=心」があまりにお粗末だということだ。
その日は、運悪くMさんは不在で、その晩、出張先から急きょ引き返して、我が家に謝罪に来てくれた。
妻とも話したが、おそらくMさんが店舗にいれば、このような失態は無かったのかも知れない。
Mさんであれば、我が家が、この車を如何に大切にしているかを重々理解してくれているはずだから。
この件があって、今後は、我が家の担当はMさんが専従となると約束してくれた。
そして、今後は「社員教育」を徹底するとも約束してくれた。
だが、これも妻と話したことだが、当メーカーそのものに対して「がっかりだよねえ~」というのが本音だ。
今回、直接に失態を犯したのは、担当したメカニックだ。
このメカニックは、修理やナビの交換という「与えられた作業」だけは全うしたのかも知れない。
でも、車というモノの向こう側にいる「顧客の存在」には全く心が至らなかったというワケだ。残念ながら……。
結局、一従業員の浅はかな行動により、メーカーそのもののブランド・イメージが失墜し、大切な顧客の心までもが離れていく事態に発展してしまったという話。
まさに、ブランドの担い手は、従業員1人1人ということなんだね。
今回のことで、我が家の当メーカーに対する「恋心」はちょいと冷めた感がある。
まあ、後はMさんのガンバリ次第といった感じかね(笑)。
それにしても、この「ブランド・イメージ」って大切だよね~。
車・時計・宝飾品・服・靴・バッグ、ありとあらゆる高級品の「選択」を決定するのは、この「ブランド・イメージ」に尽きると言っても過言ではない。
ブランド・イメージを築くには何年も何年もかかるが、それこそ失うのは一瞬だ。
そう、弁護士だって、まさにそうなんだよね。
特に、弁護士は、弁護士自身(=能力・経験・人柄)が商品なんだから。
当事務所も、当事務所との深い「信頼関係」を築いて頂ける方々とのネットワークを如何に構築していけるか、これこそがカギである。
おっ、そう言えば、「信」じてくれる「者」の存在=「儲」かるだね!(笑)