29)姓のルーツを辿ると
- 2010年1月22日
- 社会・雑学
一昨日の加藤弁護士のブログによれば、彼のルーツは、何と当地「四日市」にあったそうな。本人も全く知らなかった事実だそうで、つくづく、人の縁の不思議さを感じずにはいられない。
ところで、余計なお世話だが、加藤弁護士のルーツをさらに遡れば、どこに辿り着くのだろうか。その姓から判断すれば、ひょっとすると……。
私が、初めて三重県に来たとき、「伊藤」さんという方が多いことに気付き、興味半分で、姓のルーツについて調べてみたことがある。
で、物の本によれば、「○+藤」という姓は、藤原氏由来の由緒正しい家系である可能性が高いとのこと。
藤原氏の家系は、分家していくにつれ、「地名もしくは職名」+「藤」というパターンで姓を創設して子孫に伝えていった例が多いそうだ。
主な例としては、次のとおり。
<地名+藤>の例
伊藤(伊勢・伊豆)、加藤(加賀)、近藤(近江)、遠藤(遠江)、
紀藤(紀伊)、尾藤(尾張)、武藤(武蔵)、など
<職名+藤>の例
斎藤(斎宮頭)、工藤(木工頭)、佐藤(左衛門尉)、
内藤(内舎人・内蔵助)、進藤(修理少進)、など
という訳で、「伊藤」さんは「伊勢の藤原氏」ということなので、三重県に伊藤さんが多いのはごもっとも。
わが三重弁護士会でも、総勢127名のうち7名が「伊藤」弁護士であり、最も多い姓である。
ちなみに、「加藤」弁護士も4名おり、2番目に多い。「加藤」さんは「加賀の藤原氏」であるから、徐々に子孫が南下して三重県に土着したという可能性も大いにあり得よう。
もっとも、明治初期の「平民苗字必称義務令」により、国民全員が自由に苗字を名乗ることとなったため、「なんちゃって藤原氏」も多数誕生したようだが…。
とは言え、時代が時代なら、加藤弁護士とは口もきけなかったかも(笑)。
ちなみに、「板垣」姓は、平安時代の武将である「板垣兼信」(かねのぶ)が始祖とのこと。清和源氏から派生した甲斐源氏の流れを汲む武田信義の三男だそうで、甲斐国山梨郡板垣郷に居を構えたことから、「板垣」姓を名乗り始めたらしい。
つまり、正統派の「板垣」姓は、源氏の流れを汲むということだ。
俗に、「源平藤橘」(げんぺいとうきつ)と言われるように、源氏・平氏・藤原氏・橘氏というのは名門として栄えた代表的な氏族と言われる。いわば、庶民の憧れだったわけで、その意味で、明治初期に大量発生した「なんちゃって○○氏」も多いはずだ。
自由民権運動で有名な板垣退助は、正統派の板垣氏だそうだが、我が家は「なんちゃって板垣」だろうか。山梨に親戚がいるという話も聞いたことないし、第一、祖父母の代以前の家系図すら見たことないしなあ…。