258)自転車=マインドフルネス
- 2017年12月9日
- 人生・趣味
「病膏肓に入る」
(やまいこうこうにいる)
今、まさに、私は、こんな状態。
この言葉の意味は、
「病気がひどくなり治療のしようがないこと」で、
それが転じて、
「趣味や道楽に熱中しすぎて、
どうにも手がつけられなくなること」である。
「膏」とは「心臓の下の部分」で、
「肓」とは「横隔膜の上の部分」のことらしい。
昔は、この部分は薬も針も届かず、治療困難な場所ゆえ、
そこに病が入り込むと大変なこととなり、
病気が重くなって治療のしようがないことを意味したそう。
で、私が罹患した病は、「自転車病」という難病。
娘からは「冷たい目」で見られ、
妻からは「呆れた目」で見られ、
それでも、ますます、重症化するばかりなのである。
ネットや書籍でいろいろ調べてみたところ、
この病は、働き盛りの中年世代に蔓延する傾向があり、
一般の病とは異なり、
「肥満」と「うつ」を撃退する効能もあるそうだ。
ただ、病が進行すると、
「クリック病」という合併症を併発し、
ついには、俗にいうところの「金欠病」、
正式名称「預金残高減少症」に罹患してしまうらしい。
まあ、かくいう私も、合併症を併発し、
無意識のうちに、「ポチッ」とする日々なのである。
結果、自転車・輸送業界には経済的貢献をしつつも、
ドライバーさん達のストレスを増大させてしまう毎日。
理屈抜きで、ロードバイクでのツーリングは楽しい。
でも、ロードバイクは、「街乗り」には大袈裟。
気楽に、ひょいと「街乗り」もしたくなるよね。
で、次は、街乗り用に「ミニベロ」が欲しくなる…。
ミニベロというのは、車輪の小さい自転車で、
「小径車」とも呼ばれる。
ベロというのは、フランス語で「自転車」のこと。
でも、ツーリングも街乗りも、基本は舗装路での走行。
すると、今度は、舗装路だけでなく、山道も走ってみたい!
なんていう、どうにもバカな欲求がフツフツと沸いてきて、
その次は、「マウンテンバイク」も欲しくなる……。
そしてそして、旅先でも「ポタリング」したいなあ。
と、もう、どうにも止らない欲求が湧いてきて、
「フォールディングバイク」(=折り畳み自転車)
なんぞを買い求めてみたくなる………。
ちなみに、「ポタリング」というのは、
自転車であちこちを気楽にぶらつくことで、
「のんびりする」とか「ぶらつく」という意味の英語が語源。
我が家も、先日、「夫婦でポタリング用!」などと、
妻を強引に巻き込んで、色違いの折り畳み自転車を購入…。
加えて、自転車には、あらゆる「パーツ」が付けられる。
これまた、この「パーツ集め」に興じてしまい、
ついつい、「ポチッ」としてしまうのである。
まあ、ハタから見れば、完全に「狂ってる」状態(笑)。
でも、よくよく考えてみると、一体、何なんだろうか?
何故、こんな単純な乗り物に、いい大人が「はまる」のか?
自転車病が、働き盛りの中年世代に蔓延するという事実。
そうすると、その世代に共通するものがキーワードのはず。
で、私の独断と偏見で分析したところ、
キーワードとなりそうな共通項は、
「ストレス」と「健康不安」と「金」の3つだ。
仕事では、中間管理職として、上にも下にも気を遣い、
家庭では、教育問題に悩み、老後設計に不安を感じ、
とにかく、「ストレス」だらけの世代。
加えて、運動不足と暴飲暴食で、「健康不安」はハンパない。
そして、この世代、時間は無くとも、そこそこ「金」はある。
ということで、
ストレスを解消してくれるばかりか、
ついでに、健康不安をも一気に払拭し、
自動車に比べれば大した出費ではないとの錯覚も手伝って、
自転車病は、働き盛りの中年世代に蔓延してしまうのだ。
では、何故、自転車がストレス解消につながるのか。
これまた、私の独断と偏見によれば、
ズバリ、「自転車=マインドフルネス」だからなのだろう。
マインドフルネスというのは、最近、話題の脳活性法。
言葉の意味としては、
「【今・ここに】ただ集中している心の在り方」
のことで、
グーグル、ゴールドマン・サックス、アップル、
などの有名企業がドンドン取り入れているほどのもの。
現代社会で生きる我々は、
どうしたって、「今・ここに」集中することが難しい。
過去を悔やみ、未来を憂い、
はるか遠くにいる人のことを想い、まあ、雑念だらけだ。
だからこそ、「今・ここに」集中することで、
脳がリフレッシュされるんだよね。
それが、本来の「動物としての自然な在り方」だから。
マインドフルネスの効果としては、
1)集中力が高まる
2)浄化され、ストレスが解消される
3)洞察力、直感力、創造力が高まる
4)よく眠れるようになる
ということが指摘されている。
自転車、特に、ロードバイクに乗るということは、
「今・ここに」集中すべき環境に身を置くことになる。
ロードバイクは、とにかく、荒れた道に弱い。
溝や轍、ぬかるみ、砂地、水たまりなどは天敵だし、
車道を走れば、被害者になる危険性があり、
歩道を走れば、加害者になる危険性があり、
とてもとても、お気楽ではいられないのだ。
そう、完全に「マインドフルネス」の実践なんだね。
そして、「うつ」にも良いとされる単調な繰り返し運動。
日光を浴び、風を感じる心地よさ。
走りきった後の、何とも言えない爽快感。
もう、脳はリフレッシュしまくり!なのである。
外国には、こんな格言まで存在するらしい。
「トラック1台分の薬よりも、
たった1台の自転車さえあれば、健康になれる!」
う~む。
ホントに、そうかも知れないなあ。
おまけに、自転車のいいところは、
「体を痛めない」こと。
全身の筋肉を使うわりには、
膝や腰を痛めることはないんだよね。
これは、中年世代にとっては、ホントにありがたい。
最も手軽な健康法は、ジョギングだろうけど、
うまくやらないと、すぐに膝や腰を痛めてしまう。
で、最も体にやさしいスポーツは、水泳だが、
ジムに通うという心理的ハードルと、
会費を支払い続けるという経済的ハードルが高い。
でも、自転車は、イニシャルコストは高いけど、
ランニングコストは、ほぼゼロに等しい。
それに、自宅から漕ぎ始められるので、お手軽だ。
とまあ、総合点では、自転車がトップかね。
もちろん、独断と偏見だけど。
というワケで、
この病からの脱出は、ちょっと難しそうだね。
そして、我が家では、ついに、
自転車の置き場に困りつつある今日この頃で、
え~い、断捨離だ!ということで、
一気に、いろ~~~んな物を捨てた次第なのだ。
いずれにせよ、
妻が寛大な心の持ち主であること、
これだけは、何よりも、ありがたいっす!!
ホントに、感謝・感謝・感謝。
そして、ゴメンナサイ………。