282)祝・令和!
- 2019年5月1日
- 社会・雑学
令和元年5月1日。
いよいよ、新時代の幕開け!
昭和天皇が崩御した際の、
あの大変な自粛ムードを思えば、
今回の祝賀ムードでの改元は、
とっても気持ちがいいねえ。
人間ていう生き物は、
すぐにマンネリ化するもの。
だからこそ、「節目」のお蔭で、
それなりに心機一転ができる。
自己満足でも何でもいいから、
この大きな節目を利用して、
何かを決意するのは良い事だね。
そして、私の場合、
ちょうど、この節目に51歳に!
まあ、誕生日は明日なのだが、
法律上は、今日で51歳だ。
一般の感覚とは違うのだろうが、
満年齢の計算というのは、
誕生日の前日に年齢を加算する。
「年齢計算ニ関スル法律」
という法律があり、それには、
「年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス」
とある。
民法第140条では、
「初日不算入の原則」が規定され、
期間を計算するときは、
初日を算入しない。
つまり、翌日から起算するので、
翌日=1日目となる。
ところが、年齢計算は例外で、
初日=1日目となるので、
誕生当日が「生後1日」なのだ。
ということは、この子は、
誕生日前日=生後365日となり、
前日に「満1歳を迎える」ワケ。
もっと言えば、
誕生日になれば「満1歳1日」だ。
この仕組みを理解すれば、
何故、4月1日生まれの子が、
「早生まれ」として、
上の学年になるのかが分かる。
学校教育法第17条では、
「子の満6歳に達した日の翌日以後
における最初の学年の初めから…
小学校…に就学させる義務を負う。」
と保護者の義務を規定している。
学年は4月1日から始まる。
つまり、3月31日に満6歳の子は、
翌日から始まる学年で小学生となる。
4月1日生まれの子は、
まさに3月31日で満6歳となるので、
誕生日を迎える翌日には、
小学生になってしまうというワケ。
逆に、4月2日生まれだと、
3月31日では、まだ満5歳だから、
小学生になるのは、まだ1年先。
要するに、学年というのは、
3月31日時点での「同い年」
というグループのことなんだね。
ということで、
令和元年初日に51歳を迎え、
残りの人生は令和と伴に歩む、
と思うと、何だか、感慨一入だ。
思い返せば、私の人生は、
昭和時代が、ちょうど20年、
平成時代が、ちょうど30年。
そして、社会人としての経験は、
全て平成時代に凝縮されている。
平成30年間に大いに感謝だね。
平成が終わろうとする4月下旬、
妻とともに皇居を訪れた。
穏やかで温かい感情に包まれた。
平成は戦争のない時代だったが、
代わりに、災害の多い時代だった。
だが、当時の天皇皇后両陛下は、
災害のたびに、被災地を訪問され、
被災者の傍らに跪いて語るそのお姿に、
我々の負の感情が緩和されたことも、
少なくなかったのではなかろうか。
現上皇・上皇后は、
国民に寄り添う姿勢を貫徹された。
「国民の幸せを祈る」
ことを本気で貫かれたからこそ、
我々は、「オーラ」を感じるのだろう。
当時の天皇皇后両陛下が、
伊勢神宮を訪問された際、
娘が、沿道から手を振ると、
「皇后様が手を振って下さった!」
「すごいオーラだった!」
「本当に神々しかった!」
などと興奮して話してくる姿を見て、
「これが象徴ということなのかな」
なんて思ったりしたものだ。
天皇制については、
熱狂的に支持する者から、
制度廃止を唱える者まで、様々だ。
日本国憲法第1条では、
「天皇は、日本国の象徴であり
日本国民統合の象徴であって、
この地位は、主権の存する
日本国民の総意に基く。」
とある。
天皇の姿や言動を見たときに、
日本国や日本国民の統合を、
国民各自が「感じる」ことが、
「象徴」ということなのだろう。
今回の改元での盛り上がりや、
被災地訪問、娘の興奮ぶりなど、
象徴天皇制が果たす意義は大きい。
人間には「心の拠り所」が必要で、
国家にも「統合の象徴」が必要だ。
それは経済合理性を超えた価値観で、
私見では、象徴天皇制は存続すべきだ。
だが、一部の熱狂的支持者が主張する
「男系男子の貫徹」
はナンセンス。
象徴天皇の地位が、
「国民の総意に基づく」
以上、国民の総意が、
「女系女子の容認」
に傾けば、そうならざるを得まい。
一部の男系男子貫徹派が主張するのは、
「Y染色体」だ。
人間の遺伝子は、
「XY」なら男、「XX」なら女だ。
「Y染色体」は、男特有のものなので、
「男系男子を貫徹」すると、
男子である今上天皇は、遺伝的に、
「初代天皇と同一のY染色体」
を引き継いでいることになる。
一部の熱狂的支持者からすれば、
これは、まさしく「ロマン」なのだろう。
他方、そうでもない者からすれば、
「だから、何?」
ということだろうね。
そもそも、歴史上、
本当に、男系男子が貫かれたのか?
ということも疑わしいし、
何よりも、皇室の祖先とされる
「天照大御神」は、女性だし(笑)。
法律家の視点から言えば、
男系男子という制度は、
妃となる女性に対して、
「男子を生む」義務を課すもので、
とんでもない人権侵害だ。
昔は、側室制度があったからこそ、
「男子を生む」確率を維持できた。
だが、今の時代に、
男子を生むこと「だけ」を期待され、
自由のない皇室に率先して嫁ぐなんて、
ちょっと考えられないよねえ。
ついでに言えば、
男系男子が「Y染色体」ならば、
女系女子に特有なのが、
「ミトコンドリアDNA」だ。
これは、母親から子に受け継がれるので、
天皇を女系女子に限っていれば、
「天照大御神と同じDNA」
というロマンも感じられたろうに(笑)。
まあ、いずれにしても、
そういうロマン自体がナンセンスで、
今の時代に合わせた
「象徴天皇像」
を国民全体が模索していく段階だね。
さてさて、新たな令和の時代。
「令」という字には、
「良い」という意味があるそうだ。
残りの人生、
令和の時代と伴に、
我が人生のフィナーレを迎える。
そして、人生を豊かにするのは、
何と言っても、「人」だよね。
令和にふさわしく、
「良き人の和」を深めたい!!