287)フリーランスのFP術①
- 2020年4月4日
- 経済・ビジネス
やっぱ、弁護士は「貧乏父さん」だな……。
今年の確定申告の数字を見て、
愕然としつつ、つくづく、そう思った次第。
なんと、昨年の私の「手取り収入」は、
弁護士2年目と全く同じだったのだ……。
当然、売上自体は増えているものの、
経費も公租公課も増えているため、
私の手元に残るお金は、ごくわずかな金額に。
要するに、弁護士2年目と比較して、
私の「損益分岐点」が高くなり過ぎたのだ。
ここ20年以上にわたり、
見たこともない「低水準」の金額だったので、
とってもビックリしつつも、
私なりに「気を引き締める」契機となった。
正直、ずっと安定経営が続いていたので、
やや気が緩んでいた部分もあったかも知れない。
その意味では、とてもいい「刺激」となった。
ということで、新年度も始まったので、
今年からは、グッと気合いを入れ直して、
シッカリ「稼ぎ続ける」ことを目指したい!
で、こんな私の例を出すまでもなく、
フリーランスというのは「不安定」だ。
まあ、フリーランスという選択自体、
「安定」を捨てて「自由」を選んだのだから、
不安定ということは、覚悟の上ではある。
近時の新型コロナウィルス騒動で、
職種によっては、フリーランスは大打撃だ。
先日、テレビで、
フリーカメラマンの方が窮状を訴えていた。
卒業式や結婚式等のイベントが中止となり、
仕事が全く無くなっているとのこと。
その方は、小さいお子さんと奥様がいて、
貯金がゼロという紹介であった。
確かに、現在の窮状に対しては、
100%同情するし、
政治的に救済してあげるべきであろう。
しかしながら、扶養すべき妻子がいるのに、
「貯金ゼロ」という家計状況については、
フリーランスとしての自覚が低いのでは?
という思いを抱かざるを得ない。
ということで、本稿から4回に分けて、
「フリーランスのFP術」
というテーマで、私が学んだことや、
実践してきたことを踏まえて、
私なりの考えを述べていきたいと思う。
ベストセラーになったロバート・キヨサキ氏の
「金持ち父さん 貧乏父さん」。
この本については、賛否両論があるものの、
考え方自体は正しいと思うし、
絶対に参考にすべきものであると確信する。
世の中の職業は、以下の4つに分類される。
A 労働者(自分の時間で稼ぐ)
B 専門家(自分の技能で稼ぐ)
C 経営者(人に稼いでもらう)
D 投資家(金に稼いでもらう)
ロバート・キヨサキ氏いわく、
ABの人が「貧乏父さん」で、
CDの人が「金持ち父さん」である。
当然、大多数の人がABのいずれかに属する。
ABの2つの職業は、いずれも、
「自分が働かないと収入が途絶える」
という共通項を持つ。
私が「貧乏父さん」を実感したように、
医師・弁護士・芸能人なども、皆そうだ。
逆に、CDの2つの職業は、いずれも、
「自分が働かなくても収入が途絶えない」
という共通項を持つ。
私は、当事務所の代表(所長)であるが、
自ら稼がないと、私自身の家計は維持できない。
だから、私はバリバリの「貧乏父さん」である。
つまり、上でいうCの「経営者」とは、
「ビジネスオーナー」のことなのである。
そう考えると、世の中で、
CDのいずれかに属する者は、ごくごく一握り。
まあ、ロバート・キヨサキ氏は、
CDのいずれかを目指せ!というのだが、
それは、多くの人にとっては、無理な話。
だが、「投資家」を本業にするのは無理でも、
ABに属する者が「投資」を実践するのは可能。
つまり、
「自分で稼ぎつつ、金にも稼いでもらう」
ということ自体は、十分に可能な話だ。
特に、フリーランスの場合は、
「安定」を捨ててしまっている以上、
将来のリスクに、自ら「備える」しかない。
この「備える」という視点から、
次の5つの項目について、次回以降、
私なりの考えを述べていきたい。
・生活防衛資金
・保険
・住宅資金
・教育資金
・老後資金
ということで、本稿はここまで。