322)準備と機会の交差点
幸運とは、
「準備」が「機会」に出会うこと。
この言葉は、
古代ローマの哲学者であるセネカ
の名言とされている。
セネカは、
「人生の短さについて」
という本を書いた人物で、
本ブログでも過去に取り上げた。
「人生の短さについて」は、
要約すれば、次のとおり。
人生において、
時間は十分に与えられていない、
と多くの人は考える。
だが、それは、
我々が、あまりに「多忙」で、
時間を「浪費」しているからだ。
人生を有効に生きるためには、
時間を「他人に与え」てはならず、
「自分自身のため」に使うべきだ。
周囲と比較して、
心が「不安定」になるときには、
今の置かれた環境に慣れて、
できることに尽力し、
休息や閑暇と上手くバランスをとる。
まさに、現代社会に生きる我々にこそ、
とっても響く言葉であり、
古代ローマ時代から、
人間の普遍的な悩みが続いている、
ということなんだよね。
さて、冒頭の言葉は、
あらゆる有能な辣腕経営者たちが、
こぞって引用したり、
座右の銘としていたりする名言である。
少しアレンジして、
「幸運の女神は、
準備と機会の交差点に舞い降りる。」
などといった表現もよく使われる。
また、細菌学者のパスツールは、
「偶然は準備のない者に微笑まない」
と言ったそうで、これも同義だね。
ところで、先日、
一冊の面白い本と出会った。
「運の方程式」(鈴木祐著、アスコム社刊)
という本だ。
我々は、運というものが、
人間の力ではコントロールできない、
どうしようもない「神様のいたずら」
だと信じ切っている。
だが、この本は、意識さえすれば、
そんな「運」も手繰り寄せられる!
というのだ。
著者いわく、
運を手繰り寄せる「方程式が」ある。
それは、幸運=
(①行動×②多様+③察知)×④回復
というもの。
一つずつ見ていこう。
まず、①行動とは、
我々が、人生の中で実行する
具体的な行動の「量」を意味する。
幸運に巡り会うためには、
とにかく、有効な行動を繰り返すべし!
ということだ。
これは、誰もが納得することであろう。
ちなみに、こんなことも言われている。
成功率が1%しかない難題でも、
試行回数が100回を過ぎれば、
その成功率は63%を超え、
459回目に至れば、
その成功率は99%に達するそうだ。
次に、②多様とは、
むやみに試行回数だけを増やしても、
行動のバリエーションが少な過ぎたら、
あらゆるバリエーションに潜む「運」と
出会うチャンスが少なくなってしまう。
行動の「量」だけでなく、
行動の「質」も大切ということだ。
さらに、③察知とは、
幸運の兆しに気づき、
その発見を活用するスキルのこと。
ある研究では、
「イノベーションを起こす人ほど、
観察に時間を費やす」ということらしい。
最後に、④回復とは、
失敗をしても、すぐに立ち直り、
次の挑戦へと前進していける力のことだ。
かのエジソンも、
「私は失敗したことなどない。
うまくいかないやり方を1万通り見つけただけ。」
と述べたという。
以上のとおり、幸運とは、
常日頃から、あらゆる多様な行動をし続け、
あらゆる幸運の兆しにアンテナを張り続け、
そして、何度も何度も再挑戦を続ける人、
のもとにやって来るということなんだね。
結局、それは、
幸運を掴むための「準備」ができている人、
ということだよね。
こうして方程式の形に整理してもらうと、
なるほど!そのとおりだと思うし、
まあ、当たり前のことだと納得するはず。
結局は、2000年も前に、
古代ローマのセネカが指摘した
幸運とは、
「準備」が「機会」に出会うこと。
という名言は、やはり真理だということ。
最近、多くのアスリートが、
「次までの準備を完璧にします」
とインタビューで答えているが、
やはり、「準備」こそが、
幸運を掴むキーポイントであるし、
準備は、自分自身が「意識」すれば、
十分に実践可能なのだから、
「運」自体もコントロールできる!
という結論に至るね。
さあ、今年も、いよいよ後半戦。
そして、我が人生も、同じく後半戦。
準備をシッカリして、
家族とともに「幸運」を掴むぞい!!