93)納税という名の投資!?
- 2012年6月24日
- 経済・ビジネス
納税というのは、最終的には公共サービスという形で納税者に大きなリターンをもたらす「公共投資」なのだ!!
などという高尚な話…をするつもりはない。
前にも述べたが、個人事業者としての納税時期が重なる時期に開業してしまったものだから、見事にキャッシュが枯渇してしまい、なかなかキツイ現状だ。
4月の所得税の確定申告額、そして、消費税の確定申告額の納付をクリアーし、5月下旬~6月上旬の怒涛のような開業費支払を何とか完了して、ホッとしたのも束の間、まだまだ続く、納税ラッシュ!!というのが差し迫った「現実」である。
今後の納税スケジュールは、ザッと、
6月末=住民税
7月末=所得税の予定納税
8月末=消費税の中間納付、個人事業税、住民税
という感じで、文字どおり「ラッシュ」と言ってよかろう。
しかも、どれもこれも、前年度の所得を基準にしているものだから、たとえ稼いでいなくても税金だけは納付せねばならず、この時期にヒーヒー言っている自営業者は多い。
まあ、今年は私もヒーヒー言っている一人ということになろうが、それにしても、所得税の予定納税と消費税の中間納付というのは、何とも理不尽な制度だなあ、といつも思う。
予定納税や中間納付というのは、要するに、本来であれば来年に納めるべき税金の「前払い」なのだ。
なんで?と思ってしまうが、建前としては、
1)確定申告時に一時に多額の税額を納付することは、納税者にとって非常に負担となるため、納税者の便宜を図るためである。
2)国家としての歳入を平準化する必要があるからである。
3)所得の発生の都度、それに応じて納税することが理想なのである。
などと説明される。
だが、1)は余計なお世話だ!と言いたいし、2)は納税者には全く関係のないことで、3)は本年度の所得発生とは無関係に前年度所得を基準に納税義務を課す制度の説明としては説得力が無さすぎる。
それに、支払が遅れれば延滞利息が加算され、支払を少しでも早めれば割引利息が控除される、というのが経済の常識のはずだが、1年近くも早く納税しているのに、1円たりとも割引されないんだから、本当に「何じゃこりゃ!」という感じだ。
ところが、今年に限っては、この理不尽な予定納税というヤツも、ちょっとした利用価値がありそうなのだ。
予定納税というのは、前年度所得を基準にした税額を3等分して、3分の1ずつを2回に渡って「前払い」する制度である。
つまり、3分の2の所得税を前払いしているワケなのだが、仮に、確定申告に基づく税額よりも予定納税額の方が大きければ、前払いし過ぎたということになるので、還付金という形でお金が戻ってくる。
その際、早く納めても割引すらしなかったのに、さすがに、戻すときには、ちゃんと「延滞利息」を付けてくれるらしい。
しかも、その利率が高い!のだ。
なんと「前年の11月30日の公定歩合+4%」という高金利で「還付加算金」というものが付加されるのである。
現在の公定歩合は、0.3%であるから、過納付額に4.3%の利息が付いてバックされるという計算になる。
いまどき、こんな高金利商品は他にはなかろう。
しかも、国家の保証付きだしね。
私の場合、本年度は、開業費によって相当に所得が圧縮されることは必至であるから、予定納税が還付されることは、ほぼ間違いない。
ということで、今年に限っては、予定納税は「高金利預金」に化けてしまうということなのだ。
まあ、だから何だと言う話ではあるのだが、そうでも思わないと、この理不尽な制度に苦しめられている身としては、やってらんないよう!ということだ。
自営業者になると、本当に、税金というのがコストであることを身に染みて実感する。
売上金の中から、まずは事務所経費を支払い、次に税金を支払って、最後にようやく生活費を手にすることができるのだから。
つまり、税金を支払わない限り、生活すら出来ないという話だ。
さてさて、家族に迷惑をかけることだけは出来ないので、8月末までの苦しい期間、何としても、仕事に精を出さねばならない。
まっ、今年の夏休み、南の島に家族旅行!なんていうのはムリ……ということだけは、今のうちから宣言しておくけどね(笑)。みんな、ゴメンね。