187)納税カレンダー
- 2015年6月27日
- 経済・ビジネス
早いもので、平成27年度の第1クール(四半期)も、間もなく終了。
昨年度の第1クールは、1年分の「ストレス」がドッと押し寄せ、心身ともに
疲労困憊であった。
あれから、もう1年が経ったんだねえ。シミジミ……。
それを思えば、今は、ホントに「穏やかな日々」だ(笑)。
ところで、4月に始まって3月に終わる通常の「年度カレンダー」とは、やや
ズレて訪れるのが、「納税カレンダー」なるものだ。
このカレンダーは、6月に始まって4月に終わる。
個人事業主の場合、この納税カレンダーに従って、1年間に渡って、まさに納
税との「死闘」を繰り広げることになる。大袈裟ではなく……。
弁護士の事業経費は、そのほとんどが「固定費」(事務所家賃・人件費等)で
ある。
従って、どれだけの売上があれば、その月を乗り越えられるかは容易に計算で
きる。
だが、納税額というのは、毎年3月の「確定申告の結果」如何によって、次年
度の納税額が全て決まる仕組みなので、毎年毎年、大幅に変わり得る「巨大な
変動費」と言えるものだ。
典型的な「変動費」である職員のボーナスも含めた個人事業主の「納税カレン
ダー」は、次のとおり。
6月 住民税(1期)、夏のボーナス
7月 所得税(予定納税1期)
8月 住民税(2期)、事業税(1期)
9月 消費税(中間納付)
10月 住民税(3期)
11月 所得税(予定納税2期)、事業税(2期)
12月 冬のボーナス
1月 住民税(4期)
4月 所得税(申告納税)、消費税(申告納付)
以上、何ら支払のない月は、2・3・5月だけで、毎月、何らかの変動費が待
ち受けていることになる。
ということは、経営者としては、この納税カレンダーを常に意識しながら、絶
対に「資金ショート」だけは起こさないように、細心の注意を払わねばならな
いというワケ。
私も、自身のスマホの「メモ」機能に、「納税カレンダー」と「口座残高」を
入れており、毎月一定日にデータを更新して、資金準備をしている。
前述のとおり、納税額は、前年度の実績に基づいて、当年度の納税額が左右さ
れるので、前年度よりも稼いでいる年は「極めて楽」なのだが、
一方で、前年度よりも収入が落ち込んでしまっている年は、まさに「地獄その
もの」なのである。
10年ほど前になるだろうか、一度だけ、前年度よりも収入がグッと落ち込ん
だ年があった。
前年度の実績なら払えるであろう納税額が、稼いでいない当年度に課されてい
るワケだから、言うまでもなく、アッという間に資金ショートを起こす。
で、泣く泣く、虎の子の「定期預金」を解約して納税した、という苦い思い出
がある。
まあ、その後は、お陰様で経営も安定しているので、資金ショートを起こす心
配は低くなったが、それでも、いつ何がどうなるかは分からない。
理想を言えば、1年間に想定される納税額(+ボーナス)は、事業資金として
予めストックしておくべし、ということなんだけどね。
当事務所の澁谷弁護士も、昨年度以来、ガッチリ稼ぎ始めている。
彼女も、今までは、その存在すら実感しなかった、ありとあらゆる納税通知が
届くようになって、納税との闘いを意識し始めたに違いない。
収入が多くなれば、事務所経費よりも税金の方が高くなることもある。
この巨大な「変動費」を意識せずして、まともな経営など出来ないのだ。
本ブログでも繰り返し述べていることだが、個人事業主の場合、「納税した後
の残金が生活費」なのである。
つまりは、チャンとした生活を送るためには、「納税してナンボ」ということ
なんだよね。
今月から始まる1年間の「納税ロード」。
とても有り難いことに、昨年度も収入の落ち込みが無かったので、今年度も、
シッカリと課税される。
ということで、資金ショートを起こさないよう、バリバリと仕事せねば。