沈思雑考Blog

ソレイユ経営法律事務所の代表である弁護士・中小企業診断士
板垣謙太郎が日々いろいろと綴ってゆく雑記ブログです。

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287)フリーランスのFP術①

やっぱ、弁護士は「貧乏父さん」だな……。

今年の確定申告の数字を見て、
愕然としつつ、つくづく、そう思った次第。

なんと、昨年の私の「手取り収入」は、
弁護士2年目と全く同じだったのだ……。

当然、売上自体は増えているものの、
経費も公租公課も増えているため、
私の手元に残るお金は、ごくわずかな金額に。

要するに、弁護士2年目と比較して、
私の「損益分岐点」が高くなり過ぎたのだ。

ここ20年以上にわたり、
見たこともない「低水準」の金額だったので、
とってもビックリしつつも、
私なりに「気を引き締める」契機となった。

正直、ずっと安定経営が続いていたので、
やや気が緩んでいた部分もあったかも知れない。
その意味では、とてもいい「刺激」となった。

ということで、新年度も始まったので、
今年からは、グッと気合いを入れ直して、
シッカリ「稼ぎ続ける」ことを目指したい!

で、こんな私の例を出すまでもなく、
フリーランスというのは「不安定」だ。

まあ、フリーランスという選択自体、
「安定」を捨てて「自由」を選んだのだから、
不安定ということは、覚悟の上ではある。

近時の新型コロナウィルス騒動で、
職種によっては、フリーランスは大打撃だ。

先日、テレビで、
フリーカメラマンの方が窮状を訴えていた。

卒業式や結婚式等のイベントが中止となり、
仕事が全く無くなっているとのこと。

その方は、小さいお子さんと奥様がいて、
貯金がゼロという紹介であった。

確かに、現在の窮状に対しては、
100%同情するし、
政治的に救済してあげるべきであろう。

しかしながら、扶養すべき妻子がいるのに、
「貯金ゼロ」という家計状況については、
フリーランスとしての自覚が低いのでは?
という思いを抱かざるを得ない。

ということで、本稿から4回に分けて、
「フリーランスのFP術」
というテーマで、私が学んだことや、
実践してきたことを踏まえて、
私なりの考えを述べていきたいと思う。

ベストセラーになったロバート・キヨサキ氏の
「金持ち父さん 貧乏父さん」。

この本については、賛否両論があるものの、
考え方自体は正しいと思うし、
絶対に参考にすべきものであると確信する。

世の中の職業は、以下の4つに分類される。

A 労働者(自分の時間で稼ぐ)
B 専門家(自分の技能で稼ぐ)
C 経営者(人に稼いでもらう)
D 投資家(金に稼いでもらう)

ロバート・キヨサキ氏いわく、
ABの人が「貧乏父さん」で、
CDの人が「金持ち父さん」である。

当然、大多数の人がABのいずれかに属する。
ABの2つの職業は、いずれも、
「自分が働かないと収入が途絶える」
という共通項を持つ。

私が「貧乏父さん」を実感したように、
医師・弁護士・芸能人なども、皆そうだ。

逆に、CDの2つの職業は、いずれも、
「自分が働かなくても収入が途絶えない」
という共通項を持つ。

私は、当事務所の代表(所長)であるが、
自ら稼がないと、私自身の家計は維持できない。
だから、私はバリバリの「貧乏父さん」である。

つまり、上でいうCの「経営者」とは、
「ビジネスオーナー」のことなのである。

そう考えると、世の中で、
CDのいずれかに属する者は、ごくごく一握り。

まあ、ロバート・キヨサキ氏は、
CDのいずれかを目指せ!というのだが、
それは、多くの人にとっては、無理な話。

だが、「投資家」を本業にするのは無理でも、
ABに属する者が「投資」を実践するのは可能。

つまり、
「自分で稼ぎつつ、金にも稼いでもらう」
ということ自体は、十分に可能な話だ。

特に、フリーランスの場合は、
「安定」を捨ててしまっている以上、
将来のリスクに、自ら「備える」しかない。

この「備える」という視点から、
次の5つの項目について、次回以降、
私なりの考えを述べていきたい。

・生活防衛資金
・保険
・住宅資金
・教育資金
・老後資金

ということで、本稿はここまで。