200)診断士の「かけ算」
- 2015年12月5日
- 弁護士・資格
本ブログも、いよいよ200本目の記事なり!!
前事務所時代の2009年4月に本ブログを開始したので、もう、ざっと6年
半ということだね~。
今のところ、月2~3本が精一杯という感じだが、
今後も、何とか、コツコツと続けていきたいもんす。
さて、11月28・29日は、中小企業診断士仲間(おじさんばかりっす…)
と1泊2日の下呂温泉旅行に出かけてきた。
この仲間、MASTコンサルティング株式会社(以下、M社)という同期合格
組が中心となって設立したコンサル会社のメンバー達である。
現在、M社には、十数名のプロコン(独立開業のコンサル)が所属しており、
私も一応、その一人。
M社は、2013年1月に設立した会社で、今期で3期目となる。
売上は、順調に「倍々」で伸び続けており、今回の温泉旅行は、利益還元とい
う意味も含めての「慰安旅行」となった。
驚くなかれ、現在の日本では「創業後3年以内の廃業率=70%」である。
そう考えると、その「残り30%」に入れただけでも大したもんだねえ。
この旅行の前日、私は、M社主催のセミナー講師を担当した。
テーマは「予防法務」で、全9回に渡る経営者向けセミナーの「トリ」を務め
させて頂いた。
ちなみに、全9回のセミナー・テーマは次のとおり。
1)ロジカルシンキング
2)財務分析
3)資金繰り
4)マーケティング
5)生産管理
6)従業員の不正対策
7)情報セキュリティ
8)人事評価制度
9)予防法務
M社は、こんな感じの経営者向けセミナー開催に加えて、各種のコンサル案件
を多数受注しており、この調子なら、今後も業績は上向きだろうね。
まあ、私なんぞは、各種コンサル案件における詰めの「リーガル・チェック」
をチョロっと担当させて頂いているだけで、さほど大きな貢献もしていないの
であるが、来年以降は、もうちょい、コンサルとしての貢献をしていきたいな
あ、なんて思っているところ。
中小企業診断士(以下、診断士)という資格は、5年ごとの更新が必要で、座
学と実務に関する更新要件がキチンと定められている。
私も、来年3月末日で「まる5年」となるので、そろそろ更新時期だ。
何とか更新要件はクリアしているところだが、この更新を契機に、本格的なコ
ンサル活動を展開していきたいもんす。
ところで、診断士は、経営コンサルタントでは唯一の国家資格ではあるもの
の、コンサル業務をするのに、この資格は「全く不要」である。
弁護士や税理士のような「独占業務」が無いことから、診断士業界では、この
資格は「足の裏の米粒」との自虐ネタをよく耳にする。
つまり、「どうしても(資格を)取ってみたくなるが、(資格を)取っても食
えない。」という意味だ。
でも、この自虐ネタは、診断士という資格の「本質」を全く理解していないと
ころから生まれたものだろうね。
診断士は、経営のことについて「広く浅く」学ぶ資格である。
そもそも、経営全般について「広く深く」学ぶことなんて絶対不可能。
で、その「浅い」知見が、簡単にお金に変わるはずはない。
世の中で、お金に変わるのは「深い」知見だけである。
だから、診断士というだけで「食える」ワケがない。
ごく当たり前のことだ。
じゃあ、何のための資格なの?ということだが、
この資格の本質は、経営者と専門家との「橋渡し」なんだね。
経営全般のことについて、全てを「広く深く」学んでいる人などいるはずがな
いのだから、コンサル案件をたった1人で全て対応することなど、およそ不可
能な話。
コンサルというのは、通常、チームで対応するものだ。
診断士は、コンサルとしての幅広い知見をもとに、この会社の「どこに経営課
題があるのか」を分析した上で、たまたま、その経営課題が自身の専門分野の
範疇にあれば「自ら対応」すればOKだし、そうでなければ、その道の「専門
家」に「橋渡し」をするしかないんだよね。
普通、同業者というのは「競争相手」なのだが、
診断士の場合は、同業者が「仕事仲間」という感じだ。
そして、診断士は、社会人経験を積んでから取得する人が圧倒的多数。
皆、何かしらの「専門分野」を持った上で、資格を取得するワケ。
くどいようだが、依頼者からキチンとお金を頂けるのは、あくまでも、自らが
時間をかけて、徹底的に「深く」学び抜いた専門分野だけである。
その他の「広く浅い」知識は、他の専門家への「橋渡し」のための「共通言
語」という位置付けなんだね。
そして、その共通言語があるからこそ、スムーズに「橋渡し」ができるという
ことなのだ。
なので、診断士は「同業者のネットワーク」がキモ。
ゆえに、皆、とても仲が良い。
仕事というのは、「強み×機会」でしか生まれない。
とするならば、診断士は、
自身の「強み」に引き込む「機会」を広げてくれる資格ということ。
資格というのは、「金棒」に過ぎないとも言われる。
まずは、その金棒を振り回せるだけの「鬼」でなければ、意味が無い。
鬼=能力・人格
金棒=資格
とするならば、
この2つが組み合わさって、初めて「鬼に金棒」なんだね。
私自身、診断士の資格を取って、ホントに大正解だった。
大きく、自分自身の「視野」が広がったし、
仕事に繋がる「人脈」拡大にも大いに寄与してくれている。
まあ、独占業務のある資格というのは、独占業務に守られている反面、
そこから一歩踏み出すのが、ムチャクチャ困難なんだよね。
これだけ弁護士が増えてしまった現在、
独占業務分野(司法)だけでは、「需要<供給」となるのは当然。
マーケティングとは、「かけ算」のことである。
診断士の試験に最終合格すると、コンサル3件の実務補習がある。
その際の指導担当の一人に、「税理士×診断士×占星術師」という異色の先生
がいらっしゃった。
この「かけ算」は、さすがに日本で唯一かも知れないね。
経営者というのは、孤独な存在であり、最後の最後は「占星術」にもすがる思
いになるのかも。
現に、国家元首レベル(有名なのはレーガン元大統領)ですら、占星術師のア
ドバイスを真剣に受けているという話もあるくらいだし。
12月2日の中日新聞では、「弁護士×漫画家」という若手女性弁護士が紹介
されていた。
ネット上で、「僕と彼女と著作権」という漫画を連載しているそうで、元々
は、漫画家になりたかったのだそうだ。
この「かけ算」も、オンリーワン要素がメチャメチャ強いよね。
まあ、「弁護士×診断士×三重県」というのも、
今のところは、私一人だけだ。
もっと言えば、12月2日には、何とか「宅地建物取引士」の合格証書が届い
たので、私の国家「士格」は合計4つになった。
「弁護士×診断士×FP技能士×宅建取引士×三重県」
という「かけ算」も、しばらくの間は、私一人だろうね。
要するに、いかに「オンリーワンのかけ算」を見つけられるか、
それが、マーケティングでの「切り口」なんだよね。
結局、「足の裏の米粒」との自虐ネタを叫んでいる診断士は、
この「かけ算」が見つけられていないんだよね。
あるいは、「鬼」になり切れていない、という言い方もできるか。
何らかの「オンリーワンのかけ算」さえ見つかれば、
もう、愚痴ってる時間さえ、勿体なくなるんだけどね。