277)ノーサイド
- 2018年11月25日
- 弁護士・資格
ようやく、ようやくだ……。
実に、10年に及ぶ懸案事項が前進した。
三重弁護士会の「会館建設問題」だ。
現在の会館は、会員数60名時代の建築。
現在の会員数は、その3倍の185名。
当然ながら、手狭に決まっていて、
常勤する事務局員は、あまりに可哀想。
平成19年2月、臨時総会において、
会館問題を検討するため、
「会館委員会」の設置が承認され、
同委員会が検討を重ねた結果、
増改築の必要性・許容性が確認され、
平成21年2月、臨時総会において、
「会館建設委員会」の設置が承認された。
結局、増改築は諸事情により断念され、
平成23年2月、臨時総会において、
「会館建設用地購入」が議案とされたが、
可決ラインに「7票」足りず、否決。
その後、別の土地を探すも、
なかなか、良い土地が見つからず、
月日だけが流れることに。
そうしていたところ、
平成26年4月、私が会長となり、
会長就任の挨拶に津市長を訪ねると、
なんと、津市中央公民館の土地・建物を
「競争入札」に出す予定だとの情報が!
この土地は、道路に面した角地で、
裁判所・検察庁と同じ並び。
道路を隔ててはいるが、
裁判所・検察庁・弁護士会が、
まさに「横一列に並ぶ」場所で、
弁護士会のために用意されたのか?
と思うほどの好立地だ。
これは、絶対に、
特別決議を可決させ、
そして、落札を実現せねば!!
私も、会長として、
あれもやりたい、これもやりたい、
という構想があったが、結局、
この問題に専念せざるを得ないことに。
そして、入札日が決まったので、
平成26年6月、臨時総会において、
「会館建設用地取得のための入札参加」
を議案としたところ、
可決ラインを「3票」超えて、可決。
その後、競合相手の情報も得ながら、
ドキドキの中で、入札に参加し、
何とか「落札」することができた。
ただ、建物は老朽化していたので、
平成27年2月、臨時総会において、
「建物解体」を議案として、可決。
無事、更地化まで漕ぎ着けた。
普通に考えれば、
会館「建設」用地を取得したのだから、
その後の議決はスムーズにいきそうなもの。
ところが、なかなか、そうもいかず、
平成28年7月、臨時総会において、
「建物建築」が議案とされたが、
可決ラインに「4票」足りず、否決。
当時は、史上最低の超低金利であり、
消費税も8%のままで契約できた。
東京五輪が近づくにつれて、
建築費が高騰するのは目に見えていた。
実際、今では、そうなっているし。
経済合理性を考えれば、
否決すべき理由は見当たらなかった。
そして、2年間の時を置いて、
平成30年11月、臨時総会において、
「建物建築」を改めて議案とし、
可決ラインを「6票」超えて、可決。
ついに、やった~!!という感じ。
しかし、2年前よりは、
建築コストは嵩むことになろう。
反対派の論拠の一つに、
東京五輪が終われば不景気になるから、
それまで建築を見送ろう、
というものもあったが、
東京五輪の5年後に、
「大阪万博」の開催が決まった。
建築コストの上昇はその後も続くワケだ。
ホントに可決されて良かった~。
大阪万博が終わるまで待とう、
なんて話になったら、目も当てられない。
そもそも、資本主義経済は、
「緩やかなインフレが大前提」
のシステムだ。
毎月の積立額や借金返済額のように、
「定額のコスト」
というのは、時間の経過とともに、
必ず「負担軽減」の方向に向かっていく。
インフレ時には、
「借金持ちの方が経済的に有利」
と言われる所以だ。
政府・日銀も、必死になって、
インフレに誘導しようとしている。
従って、今後、
更なるデフレが進行する可能性は低い。
だからこそ、
「定額のコスト」
は、早め早めに確定させた方がよいのだ。
建築が必要である以上、
これを「先送りする」経済合理性は無い。
それにしても、
「会館問題」が浮上してから、
実に10年以上もの月日が経過している。
建物が完成するのは、
手続がスムーズに進行しても「3年後」だ。
いやはや、だね。
おそらく、普通の団体なら、
もっとスピーディに意思決定できたはず。
ところが、この問題が浮上した頃、
ほぼ同じタイミングで、
政治的な対立がくすぶり始めたものだから、
話が非常にややこしくなってしまったのだ。
2年前の否決の際にも、下記ブログを書いたが、
本筋ではない不毛の議論が展開されたと言える。
いずれにしても、
この問題が前に進むということで、
会員の「3分の2」の特別多数を要する議案は、
しばらくの間、登場しないはずだ。
ということは、
10年間に及ぶ政治的対立も解消される!!
という強い期待を抱かざるを得ない。
ホントに、ホントに、
「ノーサイド」(=戦い終えたら同じ仲間)
ということになって欲しいね!!