沈思雑考Blog

ソレイユ経営法律事務所の代表である弁護士・中小企業診断士
板垣謙太郎が日々いろいろと綴ってゆく雑記ブログです。

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80)古稀のお祝い

 昨日、岳父(妻の父)が70歳の誕生日を迎えた。
 そう、「古稀」という実におめでたい節目なので、今晩は、我々家族で、ささやかながら古稀のお祝いをさせて頂いた次第。

 妻の両親は、2人揃って、寝たきり老人ならぬ、「動きっぱなし老人」である。
 と言うより、老人という表現がとっても失礼なほど、現役世代なみに「忙しく」毎日をエンジョイし続けている。
 我々夫婦にとっては、身近にセカンド・ライフの「お手本」があるので、有難い限りだ。

 ところで、古稀と言えば、唐の詩人である杜甫が「人生七十古来稀なり」(七十年生きる人は古くから稀である)と詠ったことに由来する。
 つまり、昔なら、岳父は、珍しいほどの長寿ということになるわけだ。

 ちなみに、長寿の祝いは次のとおり。
 岳父の次なる目標は、7年後の「喜寿」ということになろう。

  60歳 還 暦 生まれた年の干支に戻るため。
  70歳 古 稀 古来稀なほどの長寿だから。
  77歳 喜 寿 喜の草書体が「七十七」と読めるから。
  80歳 傘 寿 傘の略字が「八十」と読めるから。
  88歳 米 寿 米の字を分解すると「八十八」になるから。
  90歳 卒 寿 卒の略字が「九十」と読めるから。
  99歳 白 寿 百の字から「一」を引くと「九十九」だから。
 100歳 百 寿 そのまま。「ももじゅ」と読む。
 108歳 茶 寿 茶の字を分解すると「十」「十」「八十八」になるから。
            つまり、10+10+88=108。
 111歳 皇 寿 皇の字を分解すると「白」「一」「十」「一」になるから。
            つまり、99+1+10+1=111。
 120歳 大還暦 還暦の2倍。

 さて、今年7月に厚生労働省が発表した「平成22年簡易生命表」によると、男性の平均寿命は79.64歳、女性の平均寿命は86.39歳である。
 となると、岳父が「傘寿」を迎えるのはビミョーなのか?

 いやいや、そんなことはない。
 平均寿命というのは、今の死亡状況を前提とした場合の「0歳児」の平均余命のことである。
 平均余命というのは、ある年齢の人が「この先」どれくらい生きられるかという期待値であるから、0歳の平均余命と70歳の平均余命では、前提条件がまるで違う。
 今70歳の人というのは、70年もの歳月を「生き残ってきた」ツワモノ達であり、70歳を迎えたという事実だけで、そのツワモノぶりは証明されている。別の言い方をすれば、69歳までに残念ながら亡くなってしまった人たちは、70歳の平均余命とは「無関係」というワケだから、年齢が上がれば上がるほど、平均寿命よりも余命がぐ~んと伸びてくるのは、当たり前の話だ。

 ということで、70歳男性の平均余命を調べてみると、なんと15.08歳である。
 つまり、岳父が傘寿を迎えるのは「楽勝!」ということだ(笑)。
 おそらく、傘寿を迎える頃でも、まだまだ「動きっぱなし」に違いない。

 そして、さらに調べると、80歳男性の平均余命は8.57歳、88歳男性の平均余命は5.04歳、90歳男性の平均余命は4.41歳となっている。
 ということは、平均余命を次々とクリアーしていくだけで、
    古稀 → 喜寿 → 傘寿 → 米寿 → 卒寿
という一連の長寿祝いは「ふつうに」実現可能という結論になる。
 白寿となると、ちょっと厳しいようだけども……。

 お父さん、少なくとも、後4回はお祝いしますよ!!
 さあ、私も、負けないよう、心身ともに鍛えていかねば。

 ところで、「70」つながりではないが、先月末に、世界人口が70億人に達したということが話題になった。
 私が生まれた1968年の世界人口が35億人なので、私が生きてきた43年の間に世界人口がちょうど2倍になったという計算だ。

 そう言えば、私が弁護士になった1997年の弁護士人口は1万6398人で、2011年1月時点の弁護士人口は3万0447人である。
 今年12月には2000人近い新人弁護士が誕生するはずだから、やはり、私が弁護士になってから15年の間に弁護士人口がちょうど2倍になったという計算になる。

 だから何だと言われてしまいそうな話だが、今年がいろんな意味で節目の年であり、自分の属する「世界」が急激に膨張している事実を数字で実感して、何とも表現できないような気分になった。

 世界人口にしても、弁護士人口にしても、母数が多くなればなるほど、格差は大きくなる。
 世界中の人が先進国並みの生活をしたのでは、地球そのものが破壊されてしまうはずだ。
 弁護士業界も同様で、今までのような「ちょびっとだけハイレベルな生活」を全員が享受できることは到底あり得ない。

 パレートの法則どおり、市場が大きくなればなるほど、富は必ず偏在するものなので、司法(リーガルサービス)という市場における8割の利益は2割の弁護士に集中し、残りの2割の利益を8割の弁護士で奪い合うという恐ろしい構図になってくるに違いない。

 現在の三重弁護士会の会員数は138名である。
 私が入会した頃は65名くらいであったと記憶しているので、やはり2倍以上に増加している。
 このままの増加ペースでいくと、200名を超す日もアッという間に訪れてしまうかも知れないが、そうなると、本当に「仕事の奪い合い」だなあ。

 まあ、それまでに、せいぜい「選ばれるプロ」となるべく精進していくしかないか。
 一応、経営コンサルタントだしね(笑)。