242)遊べるシニアに!
- 2017年5月7日
- 人生・趣味
「マンガ自営業の老後」(上田惣子著、文響社)
という本が、とっても売れているらしい。
私も早速、kindleで電子版を購入し、読んでみた。
まあ、そこで指摘されている内容は、
キチンと老後に備えている人達にとっては、
ごくごく常識的なことばかり。
だが、その常識的なことが出来ていない人が、
どうも相当多数いそうなことにビックリした。
著者も、老後の備えを全くしていなかった一人。
職業は、フリーのイラストレータ。
25歳から始めて、今は、53歳。
仕事は順調だったが、47歳頃から急激に減収。
そして、50歳手前を迎え、
「通帳に金がない!」とようやく気づく。
そこで、初めて、老後の不安を覚えたのだという。
しかも、驚くことに、著者は、
ず~っと、「年金未納者」だったそうだ。
この本の企画で、専門家から指摘を受けて、
ようやく、52歳で国民年金に加入したとのだと。
いやはや、スゴイ話だ。
でも、自営業者の場合、会社員のように、
年金保険料が天引きされることもないので、
自分の意思で年金掛金を支払い続ける必要がある。
そうなると、目の前の「遣り繰り」を優先させて、
どうしても、年金未納者となる自営業者は多いのかも。
ちなみに、本年8月1日から、
年金受給に必要な納付期間が、25年から10年に短縮される。
加えて、平成30年9月までは、
過去5年間の未納分を支払える「後納制度」もあり、
この制度を利用することにより、この著者は、
めでたく、57歳で年金受給資格を取得するというワケ。
実際、国民年金の未納率は4割にも達する。
払いたくても払えない人もいるだろうが、
敢えて払っていない人も相当多数に上るのだろう。
だが、現在の法制度において、
公的年金よりも有利で安全な金融商品は無い。
国民年金で貰えるのは、月額6万5000円。
その金額の低さから、自分で貯蓄した方がマシ、
と考える人が多いのが実情だ。
でも、よく考えて欲しい。
国民年金の掛金は、月額1万6000円。
40年間の掛金総額は、770万円。
国民年金で貰えるのは、年額78万円。
つまり、単純計算でも、10年で元が取れる。
11年目からは、丸儲けだ。
しかも、国民年金の掛金は、所得控除。
所得税・住民税を合わせて、税率30%の場合、
国民年金の実質掛金は、月額1万1000円。
そうすると、実質的には、7年で元が取れる。
とにかく、「終身年金」のメリットは絶大なり。
民間商品では、「長生きリスク」には対応できないからね。
そして、それよりも、もっと重要なことは、
国民年金を支払っていないと、
国民年金基金や確定拠出年金にも加入できないことだ。
会社員にあって、自営業者にないもの。
それは、「厚生年金」と「退職金」の2つである。
この自営業者の2大弱点を補強しておかないと、
とても安心な老後は迎えられない。
そのための公的制度が、
国民年金基金・確定拠出年金と小規模企業共済だ。
これらの公的制度に加入していない人は、
つまらぬ保険商品を解約してでも、加入すべきだね。
ところで、自営業者には定年がないから、
「死ぬまで働き続ける」と宣言する人は多い。
もちろん、「生きがい」として働くのは素晴らしい。
だが、老後の備えがなく、働かざるを得ないのは悲しいし、
他に楽しみがないから、取り敢えず働くというのも寂しい。
私個人のライフ・プランとしては、
60歳でセミ・リタイヤして、65歳でフル・リタイヤ。
これが目標である。
そのためには、「遊べるシニア」になっている必要がある。
遊べるためには、次の3条件が必要。
(1)健康(心も体も)
(2)ゆとり(時間もお金も)
(3)好奇心
そして、60歳で「遊べるシニア」になっているためには、
50代で、シッカリと「遊べる力」を身に付けておくべきだ。
私も、来年50歳を迎えるので、
そろそろ、仕事と並行して、遊びにも本気で取り組まないとね。
特に、おっさんになってくると、「好奇心」が枯れてきやすいので、
この先10年間は、童心に帰って、
いろんなことに、ドンドンとチャレンジしたいもんすな。