沈思雑考Blog

ソレイユ経営法律事務所の代表である弁護士・中小企業診断士
板垣謙太郎が日々いろいろと綴ってゆく雑記ブログです。

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258)自転車=マインドフルネス

「病膏肓に入る」
(やまいこうこうにいる)

今、まさに、私は、こんな状態。

この言葉の意味は、
「病気がひどくなり治療のしようがないこと」で、
それが転じて、
「趣味や道楽に熱中しすぎて、
どうにも手がつけられなくなること」である。

「膏」とは「心臓の下の部分」で、
「肓」とは「横隔膜の上の部分」のことらしい。

昔は、この部分は薬も針も届かず、治療困難な場所ゆえ、
そこに病が入り込むと大変なこととなり、
病気が重くなって治療のしようがないことを意味したそう。

で、私が罹患した病は、「自転車病」という難病。

娘からは「冷たい目」で見られ、
妻からは「呆れた目」で見られ、
それでも、ますます、重症化するばかりなのである。

ネットや書籍でいろいろ調べてみたところ、
この病は、働き盛りの中年世代に蔓延する傾向があり、
一般の病とは異なり、
「肥満」と「うつ」を撃退する効能もあるそうだ。

ただ、病が進行すると、
「クリック病」という合併症を併発し、
ついには、俗にいうところの「金欠病」、
正式名称「預金残高減少症」に罹患してしまうらしい。

まあ、かくいう私も、合併症を併発し、
無意識のうちに、「ポチッ」とする日々なのである。

結果、自転車・輸送業界には経済的貢献をしつつも、
ドライバーさん達のストレスを増大させてしまう毎日。

理屈抜きで、ロードバイクでのツーリングは楽しい。

でも、ロードバイクは、「街乗り」には大袈裟。
気楽に、ひょいと「街乗り」もしたくなるよね。

で、次は、街乗り用に「ミニベロ」が欲しくなる…。
ミニベロというのは、車輪の小さい自転車で、
「小径車」とも呼ばれる。
ベロというのは、フランス語で「自転車」のこと。

でも、ツーリングも街乗りも、基本は舗装路での走行。
すると、今度は、舗装路だけでなく、山道も走ってみたい!
なんていう、どうにもバカな欲求がフツフツと沸いてきて、
その次は、「マウンテンバイク」も欲しくなる……。

そしてそして、旅先でも「ポタリング」したいなあ。
と、もう、どうにも止らない欲求が湧いてきて、
「フォールディングバイク」(=折り畳み自転車)
なんぞを買い求めてみたくなる………。

ちなみに、「ポタリング」というのは、
自転車であちこちを気楽にぶらつくことで、
「のんびりする」とか「ぶらつく」という意味の英語が語源。

我が家も、先日、「夫婦でポタリング用!」などと、
妻を強引に巻き込んで、色違いの折り畳み自転車を購入…。

加えて、自転車には、あらゆる「パーツ」が付けられる。
これまた、この「パーツ集め」に興じてしまい、
ついつい、「ポチッ」としてしまうのである。

まあ、ハタから見れば、完全に「狂ってる」状態(笑)。

でも、よくよく考えてみると、一体、何なんだろうか?
何故、こんな単純な乗り物に、いい大人が「はまる」のか?

自転車病が、働き盛りの中年世代に蔓延するという事実。
そうすると、その世代に共通するものがキーワードのはず。

で、私の独断と偏見で分析したところ、
キーワードとなりそうな共通項は、
「ストレス」と「健康不安」と「金」の3つだ。

仕事では、中間管理職として、上にも下にも気を遣い、
家庭では、教育問題に悩み、老後設計に不安を感じ、
とにかく、「ストレス」だらけの世代。

加えて、運動不足と暴飲暴食で、「健康不安」はハンパない。

そして、この世代、時間は無くとも、そこそこ「金」はある。

ということで、
ストレスを解消してくれるばかりか、
ついでに、健康不安をも一気に払拭し、
自動車に比べれば大した出費ではないとの錯覚も手伝って、
自転車病は、働き盛りの中年世代に蔓延してしまうのだ。

では、何故、自転車がストレス解消につながるのか。

これまた、私の独断と偏見によれば、
ズバリ、「自転車=マインドフルネス」だからなのだろう。

マインドフルネスというのは、最近、話題の脳活性法。

言葉の意味としては、
「【今・ここに】ただ集中している心の在り方」
のことで、
グーグル、ゴールドマン・サックス、アップル、
などの有名企業がドンドン取り入れているほどのもの。

現代社会で生きる我々は、
どうしたって、「今・ここに」集中することが難しい。
過去を悔やみ、未来を憂い、
はるか遠くにいる人のことを想い、まあ、雑念だらけだ。

だからこそ、「今・ここに」集中することで、
脳がリフレッシュされるんだよね。
それが、本来の「動物としての自然な在り方」だから。

マインドフルネスの効果としては、
1)集中力が高まる
2)浄化され、ストレスが解消される
3)洞察力、直感力、創造力が高まる
4)よく眠れるようになる
ということが指摘されている。

自転車、特に、ロードバイクに乗るということは、
「今・ここに」集中すべき環境に身を置くことになる。

ロードバイクは、とにかく、荒れた道に弱い。
溝や轍、ぬかるみ、砂地、水たまりなどは天敵だし、
車道を走れば、被害者になる危険性があり、
歩道を走れば、加害者になる危険性があり、
とてもとても、お気楽ではいられないのだ。

そう、完全に「マインドフルネス」の実践なんだね。

そして、「うつ」にも良いとされる単調な繰り返し運動。
日光を浴び、風を感じる心地よさ。
走りきった後の、何とも言えない爽快感。

もう、脳はリフレッシュしまくり!なのである。

外国には、こんな格言まで存在するらしい。
「トラック1台分の薬よりも、
たった1台の自転車さえあれば、健康になれる!」

う~む。
ホントに、そうかも知れないなあ。

おまけに、自転車のいいところは、
「体を痛めない」こと。
全身の筋肉を使うわりには、
膝や腰を痛めることはないんだよね。
これは、中年世代にとっては、ホントにありがたい。

最も手軽な健康法は、ジョギングだろうけど、
うまくやらないと、すぐに膝や腰を痛めてしまう。

で、最も体にやさしいスポーツは、水泳だが、
ジムに通うという心理的ハードルと、
会費を支払い続けるという経済的ハードルが高い。

でも、自転車は、イニシャルコストは高いけど、
ランニングコストは、ほぼゼロに等しい。
それに、自宅から漕ぎ始められるので、お手軽だ。

とまあ、総合点では、自転車がトップかね。
もちろん、独断と偏見だけど。

というワケで、
この病からの脱出は、ちょっと難しそうだね。

そして、我が家では、ついに、
自転車の置き場に困りつつある今日この頃で、
え~い、断捨離だ!ということで、
一気に、いろ~~~んな物を捨てた次第なのだ。

いずれにせよ、
妻が寛大な心の持ち主であること、
これだけは、何よりも、ありがたいっす!!
ホントに、感謝・感謝・感謝。
そして、ゴメンナサイ………。