沈思雑考Blog

ソレイユ経営法律事務所の代表である弁護士・中小企業診断士
板垣謙太郎が日々いろいろと綴ってゆく雑記ブログです。

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124)やはり!外れ馬券=経費

 本日、大阪地裁で画期的な判決があった。

 
 以前、下記ブログで紹介した「脱税事件」に関するもの。
 但し、以前に紹介したのは課税処分の取消訴訟(行政訴訟)に絡めてだった
が、今回の判決は所得税法違反(刑事訴訟)に関するものだ。

 「117)ギャンブルへの課税」
 http://www.soleil-mlo.jp/blog/ono/1997/

 この判決で、大阪地裁は、男性の所得を「雑所得」と認定し、検察側が主張
する「一時所得」との見解を否定したのである。

 
 私も、以前のブログで下記のとおり述べたが、まさに「極めて常識的」な判
決と言ってよかろう。

 そして、今回の判決は、行政訴訟の結論にも大きく影響するはずだ。

(以前のブログ)

 この男性がやっていた「ころがし」という手法は、払戻金を全て次の購入費
用に充てるというものだ。
 だから、はずれ馬券の購入費用も当然に「必要経費」としてカウントしない
と実態にそぐわないはず。

 税法の解釈としては、一時所得ではなく「雑所得」とすべきだろう。

 雑所得というのは、利子所得・配当所得・不動産所得・事業所得・給与所得
・退職所得・山林所得・譲渡所得のどれにも該当せず、次のいずれかに該当す
る所得のことだ。

1) 営利を目的とする継続的行為から生じたもの。
2) 労務その他の役務の対価としての性質を有するもの。
3) 資産の譲渡の対価としての性質を有するもの。

 この男性のやっていた行為は、明らかに1)に該当するはずだ。

(以上)

 まあ、そりゃ、そうだろう!ということなんだが、判決では、あくまでも、
競馬の当たり馬券は、原則として「一時所得」に該当すると指摘している。

 もちろん、法解釈としては、このことに異論は全くない。

 だが、以前のブログでも指摘したとおり、やはり、立法論としては、公営ギ
ャンブルは全て非課税にすべきだよねえ。

 競馬での「儲け」を真面目に税務申告している人なんて、一体、どのくらい
の割合でいるんだろうか?