沈思雑考Blog

ソレイユ経営法律事務所の代表である弁護士・中小企業診断士
板垣謙太郎が日々いろいろと綴ってゆく雑記ブログです。

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189)オラ太郎一家

オラ太郎・47歳。
地方都市にて個人事業を営み、一家を支える。
個人主義の職人タイプ。
外でワイワイ騒ぐより、家が心地よいマイホームパパ。

妻・ゴリ子・〇〇歳。
夫・オラ太郎の事業を手伝う傍ら、家事全般を切り盛りする。
家族思いで生真面目な規律タイプ。
ルールに厳しく、ルール嫌いの次女との軽い衝突は、一家の日常風景。

長女・チンみ・高校2年生。
来年はいよいよ大学受験生。そろそろエンジン全開か。
外交的で社交的なリーダータイプ。
華やかな世界での成功を夢見る、根っからの負けず嫌い。

次女・ボノき・中学1年生。
部活とアニメと恋に没頭中。
感情表現豊かなほんわかタイプ。
話し出したら止まらない、一家のムード・メーカー。

とまあ、我が家を「類人猿家族」として、サラッと紹介するとこんな感じだ。

今、巷では、人のタイプを4つに分ける「類人猿分類法」なるものが流行って
いるそうだ。
先日、フジテレビ系「とくダネ」で紹介されており、面白かったので、いろいろ
調べてみた。

類人猿分類法は、広島県福山市にある食品スーパーグループ「エブリイ」の取
締役であった岡崎和江氏の発案をもとに、テレビでもお馴染みの精神科医であ
る名越康文氏が学問的に体系化して完成させたものだそうだ。

岡崎氏は、経営者として活躍する傍ら、学校カウンセラーとして、心理臨床に
も携わっていた方で、人間心理に深い興味と造詣があったのであろう。

岡崎氏は、研究を続けるうちに、類人猿の行動が非常に個性的であることに気
づき始め、特に、オランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ボノボという4種
の大型類人猿の性格傾向をまとめてみると、ほとんどの人間のパーソナリティ
をカバーできているのではないかと考えるようになった、とのこと。

で、完成された類人猿分類法によれば、人間のパーソナリティは、次の4タイ
プに大きく分類できるそうだ。

【オランウータン】
個人主義の職人タイプ。
何よりも「物事のしくみを把握したい」という欲求が強く、何事に対してもま
ずは物事を自分の頭で考えるのが大好き。
他人からの評価はほとんど意に介さず、自分が興味を持てれば仕事でも趣味で
も、どんどん積極的に取り組む。
オランウータンが求めているのは周囲からの評価ではなく、「納得」。
何をやるにしても、自分自身が納得できないと、一気にモチベーションが落ち
てやる気を失ってしまう。

【ゴリラ】
仲間思いで生真面目な規律タイプ。
朝起きてから寝るまで毎日変わらない日課を、穏やかで物静かにこなしていく
という、安定的な生活を大切にする。
何よりも「変わらない日常」を大切と考えているため、イレギュラーな事故や
トラブルによって習慣的な日常が壊れてしまうと、動揺する。
家族や仲間との淡々とした日々が継続していくことに満足している。

【チンパンジー】
外交的で社交的なリーダータイプ。
明るく活発なので、初対面の相手でも人見知りせず、どんどん仲良くなれる。
仕事でもプライベートでも、ともかく物事を前に進め、結果を出していくのが
得意。自分の仕事を周囲から称賛してもらえないのは我慢できない。
会社でもプライベートでも、とても目立つ存在なので、集団の中でリーダー格
になることが多い。

【ボノボ】
感情表現豊かなほんわかタイプ。
笑ったり泣いたり怒ったり、感情表現が豊か。
相手が自分のことをどう思っているのか、嫌われていないか、自分の気持ちが
伝わっているか、そういう、互いの感情をもっとも大切に考える。
人と話をするのが好きで、一人で過ごすのは苦手。仲良しな相手となら、何時
間でも話し続けることができる。
一方、人前で演説やプレゼンをしたり、論理的に物事を説明して相手を説得す
ることなどは苦手。
基本的には人に好かれるタイプなので、どんなグループでもすんなりなじむこ
とができるが、自分の喜怒哀楽に共感してくれないとすぐに寂しくなる。

じゃあ、私は、どれにあてはまるの?ということだが、
ざっくりとした自己診断は、実に簡単。
2つの質問に答えるだけだ。

1つ目の質問。
あなたは、自分の感情を表に出しますか?
イエスなら、A。
ノーなら、B。

2つ目の質問。
あなたが望むのは?
物事を追求し成果を上げることなら、C。
安定・安心を維持することなら、D。

で、その組み合わせで、こうなる。
ACなら、チンパンジー。
BCなら、オランウータン。
ADなら、ボノボ。
BDなら、ゴリラ。

思うに、完全な私見だが、
結局、どういう人生を理想とするか?という話なんだろうね。

チンパンジーは、「格好よく生きたい」理想主義者。
オランウータンは、「賢く生きたい」合理主義者。
ボノボは、「楽しく生きたい」自由主義者。
ゴリラは、「正しく生きたい」平和主義者。
っていう感じかねえ。

もちろん、百人百様の人間を4つだけに分類するのは乱暴な話とも思える。
だが、人間のパーソナリティー=「気質+性格」というのが、心理学的な理解。
気質とは、先天的・生得的な遺伝・体質要因が大きく関係している個人特性。
性格とは、後天的・学習的な環境・経験要因が大きく関係している個人特性。
そして、気質は、パーソナリティーの50%に影響し、生涯不変とのこと。

まあ、この類人猿分類法は、気質的な分類と考えれば、分かりやすい。
つまり、幼少期の自分はどうだったかなあ?と考えてみると、しっくりくる。
その後の人生経験で、性格はいくらでも変わり得るからね。
私だって、今でこそ、4つ全ての要素を持ち合わせているが、
根っこにある気質は、間違いなく「オランウータン」そのものだ。

ちなみに、心理学の世界では、人間のパーソナリティは、
5つの因子(ビッグ・ファイブ)の強弱の組み合わせで、全て説明できる
とされる説が有力だ。

その5つの因子とは、次のとおり。
1)経験への開放性 (Openness to Experience)
2)勤勉性 (Conscientiousness)
3)外向性 (Extroversion)
4)協調性 (Agreeableness)
5)情緒不安定性 (Neuroticism)

各頭文字をとって、「OCEAN」とも言われる。簡単に言えば、
1)開放性=「新しもの好き」か否か、
2)勤勉性=「まじめ」か否か、
3)外向性=「社交的」か否か、
4)協調性=「空気が読める」か否か、
5)情緒不安定性=「神経質」か否か、
ということだ。

各因子が「強い」人と「弱い」人の2パターンに分類したとしても、
2の5乗ということで、32パターンのパーソナリティに分類される。
これを無理矢理4つにまとめると、類人猿分類法になるということなのかね。
まあ、もちろん、各因子の強弱は、それこそ「無限」にあるんだから、結局、
人間のパーソナリティも無限に存在するということなんだけどね。

それはさておき、この類人猿分類法、単なる性格診断だけなら、「へえ~」と
言って終わってしまう話であり、血液型占いと大差ない。
発案者の岡崎氏は、これを経営における「人事戦略」に活用したという点が、
ホントにスゴイ!ところなのだ。

従業員を採用段階から4つに分類し、適材適所に人員を配置する手法で、食品
スーパーグループ「エブリイ」は、なんと、
14期連続の2桁増収!で、7期連続の増益!!なんだそうだ。
その躍進ぶりは、本年6月、テレビ東京系「ガイアの夜明け」にて、「快進撃
スーパーの裏側・驚きの人材力!」として紹介されたらしい。

類人猿分類法による人員配置の基本的考え方は、各部署にバランスよく4つの
タイプ全てが配置されるようにすることなんだそうだ。

冒頭で紹介したとおり、我がオラ太郎一家は、見事に、4つのタイプ全てがキレ
イに配置されているんだよねえ(笑)。

結局、家族円満の秘訣は、パーソナリティが全く「かぶらない」ことにあった
のかもねえ。
そして、先天的な「気質の違い」をお互いに深く理解し合っていくことこそが、
さらに家族の絆を深めていくことにつながるはず。

それにしても、ホントに、みんな「違う」ので、実に「面白い」っす!!