ご自身が「ケガ」をした場合
ケガをした場合に加害者に請求できる主要な賠償項目ついて、簡単にご説明します。
休業損害
事故の影響で働くことができず、仕事を休まざるを得なかった場合は、実際の減収分を加害者に請求できます。この減収額を休業損害と言いますが、あくまでも、実際に収入が減少した場合に限られることに注意が必要です。
減収は、明らかな金銭的マイナスだけでなく、不本意な有給休暇の消化なども対象となります。
なお、専業主婦の場合、もともとの経済的収入自体が想定できませんが、相応の休業損害が認定される場合があります。
傷害慰謝料
事故の影響で入通院治療を余儀なくされ、精神的苦痛を受けたことに対する対価として賠償されるのが傷害慰謝料です。
しかし、被害者の「精神的苦痛」を第三者(裁判官)が的確に判断できるはずはありません。また、裁判官によって、慰謝料額が著しく異なったのでは、裁判の公平性が確保できません。
そこで、裁判実務においては、「入通院期間(治療期間)の長さ」に応じて、一定の慰謝料額基準を設け、その範囲内で事案に応じた慰謝料額を決定しています。
要するに、治療期間が長いということはそれだけ重傷であり、長期間に渡って精神的苦痛を受け続けたから慰謝料額も高額になるという発想です。
ここで注意せねばならないのは、我慢して通院せずに仕事に早期復帰した人の方が、仕事を休んで漫然と通院し続けた人よりも慰謝料が低額になり易いということです。
ちょっと考えると不公平のような気がしますが、被害者の内心を正確に把握する有効な方法が無い以上、やむを得ないのかも知れません。